1000番クロスの壁が手間と工夫でホテル仕様に

1000番クロスの壁が手間と工夫でホテル仕様に

クロス張りの壁は、通常は下地にペタッとクロスを張り付けて終了です。

それはそれでさらっとしていて美しいのですが、
わが家の場合は部分的にデコラティブな壁仕上げをしようと決めていました。

その場所は、家の「顔」である玄関です。

玄関については以前、ブログ「 玄関の(床)タイル決定 」でも
書きましたが、ほかの部屋は妥協したとしても、
ここだけは妥協してはいけない(?)と思う、大切な空間です。

わが家の玄関の壁はこのようになりました(まだ途中ですが)。

ここで使用したクロスは、ごく普通の1000番クロスです。
淡いパープルグレーで、写真では照明が入っていないので
色みがわかりにくいのですが、光が当たる部分と当たらない部分で
ずいぶん表情がかわる魅力的なクロスです。

話が色に逸れてしまいましたが……本題に戻って、
ここでお伝えしたいのは、
色ではなくて、工夫した張り方です。

まずクロス用の下地ボードの上に、5ミリ程度の目地を取ります。
(写真の、ラインが入っているようにへこませているのがわかるでしょうか)

このへこみ部分をふくめてクロスを張っていきます。
そうすることで、ただのペタッとした一枚壁から
絵画などを飾らなくても雰囲気のある立体的な壁になるのです。

どこにどうライン(陰影)を引くかは、設計士さんの腕の見せどころです。

 

わが家の場合は、(写真の左側の)へこんでいる空間に、
これからチェリー材の造作ベンチを設置する予定です。
その座面の高さと、腕置きの高さにぴったりとくるように
壁の横ラインの位置を調整してもらっています。

ベンチ(が入る予定)の右側の壁を斜めに切っているのは、
玄関床のタイルの六角形の斜めのラインと壁の角度を揃えることと、
この斜めに切った位置に、
天井までまっすぐ伸びる美しい手すりを設置するためです。

玄関床の六角形の床タイルというのがこちらです。

 

もうひとつ。
この玄関で絶対にはずせない装飾を最後に紹介します。
以前も書きましたが(ブログ「大正創業のメーカーさんのコンセントプレートです」)、
最後のダメ押しともいえるのが、
この特注の六角形のコンセントプレートです。

吉兆としかいいようのないこちらの真鍮のプレートを、
パープルグレーの壁にそっと設置します。

 

このようにつらつらと書いてみると、
玄関ひとつとってもどれだけの時間をかけて試行錯誤し、
ショールームをまわり、夫婦で話し合い、設計士さんを交えて
決定していったのかが、いまさらながらしみじみ思い出されます。

 

終の住処の玄関は
ご長寿の空気で満たされた、あたたかい空間になりそうです。