高層マンションの庇について

最近のタワーマンションを見ると
庇（ひさし）がないものが多い
ように思います。

デザイン的にそのほうが人気が
出やすいのかもしれませんが…。

私はタワーマンションに居住
しています。高層階に住む
居住者目線でいえば、
庇がない部屋は、冗談抜きで
ものすごく暑いです。

庇がなく、ガラスの比率が高いと
外観としては一見スタイリッシュ
に感じられるかもしれませんが、
家具の配置は難しくなりますし
直射日光でフローリングなども
色が変わるスピードが速いです。

タワマンは戸数も多く、各部屋
から出る熱がたまりやすいので、
冬場は暖かくて快適です。

しかし、夏場はというと
上層階に行けばいくほど、
日の当たる時間も長くなるので、
建物自体が熱をもって
単独のヒートアイランド状態に
なりやすいのです。

庇（ひさし）に守られないお部屋
（東向き）の場合、
夏場の起床時（部屋の中央部分）
で29度ぐらいあります（実体験）。

朝30度を超える日は
1シーズンであるかないかです。

ですが、
窓ぎわに温度計を置くと、
最高で45度ぐらいになっている
ことがあります。
ガラスが焼けているのでは
ないかと感じるほどです。

遮熱フィルムやインナーサッシ
など、みなさん自己防衛を
しています。

個人的な感想ですが、
何もしなければ、
景色を楽しめる窓際には
座っていられない、
というのが正直なところです。

西向きのお部屋だと、これは
デベロッパーさんからよく聞く
話ですが、午後から夜前まで
西日が入りっぱなしになるので、
冬場でも冷房が欠かせないと。
ランニングコストもかかるので
対策は必須でしょう。

庇（ひさし）があるお部屋では
ないお部屋と比べて
朝の室温で5度ほど低いです。
庇パワーには驚くばかりです。

庇がないことへの
ネガティブな意見のあとには
利点も書かないといけません。

庇がないお部屋の
冬場の朝はとても快適で
20度を下回ることはまれです。

戸建てでは想像しずらいかも
しれませんが、
窓際以外は部屋全体としても
温度が一定に保たれます。
トイレや洗面室も「寒い」と
感じることはほとんどありません。

真冬に温度計を置いて
みましたが、洗面室でも
トイレでも、18度を切ることは
１シーズンに一度もありませんでした。

年をとればとるほど、
寒さに弱くなりますよね。
肩が上がらないとか
腰が痛いとか……。

部屋全体がむらなくほんのり
あたたかいのは、
健康に年を取っていく
ためには大切な要素です。

ご近所のみなさんが
生活してくれていることで
マンション自体があたためられ
快適な冬を過ごすことができます。

集合住宅ならでは冬の温もり
には感謝しかございません。