グレードの差が際立つタワマンのゴミ捨て場事情
- 2021.12.13
- リフォームできない共有設備
タワーマンションのゴミ捨て場(ゴミステーション)。
「○○は細部に宿る」と考えるわたしにとって、トイレや
ゴミ捨て場など(ある種の)末端にこそ、「本当のこと」が
投影されると思っています。
リフォームの参考になればと、先日、
新築のタワーマンションの棟内モデルルームを内見してきたのですが、
ゴミ捨て場のあまりの手抜きぶりとそのチープさに、
ショックを受けてしまいました。
高値で売り出している最近のタワマンのつくりに興味があり、
どのような工夫があるかなど、夫婦でワクワクして出かけたのですが……。
このショック体験で、これまでなんとなく捉えてきた
「細部に宿る」説が、さらに強固なものになりました。
そして、
住人の尊厳をもないがしろにするデベロッパーだ」
というものです。
前置きが長くなりましたが、今回は、
ゴミ捨て場を見ればそのマンションのグレードがわかるという、
身勝手ですがとても思い入れのある事柄について書きたいと思います。
十把一絡げに「タワーマンション」(※)というワードで表される
数多の「超高層マンション」。
「アッパーミドル」なグレードといえるであろう設備や管理について、
ブログ(「アッパーミドルなグレードのタワーマンションとは」)
のなかで、いくつかの条件を列挙しました。
※タワーマンションという用語自体に法的基準はありません。
また、階数による定義などもありません。一般的には、高さ60m以上の建物
(およそ20階建て以上)が「超高層建築物」とする考え方が広まっており、
これに該当する住居用建築物をタワーマンションと呼んでいるに過ぎません。
(出所:ノムコムWebサイト https://www.nomu.com/tower/guide/001.html)
アッパーミドル以上のタワーマンションかどうかを判断するとき、
上記のブログに挙げた条件のうち、最も重要な項目の一つが、
「ゴミ捨て場」です。ポイントは以下の3つです。
(1)どのようなつくりか
(2)どのような管理か
(3)どのような使い方をされているか
以下、(1)〜(3)について一つずつ説明します。
(1)どのようなつくりか
これは建物の構造(ドアの枚数、広さ、明るさ、換気状況など)に関わるものです。
特にドアの枚数は重要です。廊下にあるドアを開けたら
いきなり目の前がゴミ捨て場、というのはちょっと残念です。
少なくとも仕切りのドアは2枚(計3枚)は欲しいです。
3枚というのは、
ゴミ捨て場の入り口ドア(2枚目)を開けると前室があり、
最後にもう1枚のドア(3枚目)を開けるとゴミ捨て場がある
というものです。
さらに、ゴミ捨て場の中の問題があります。
ゴミ捨て場の中はきちんと広さがあり、分別用のボックスなどで整然と
仕切られていて、照明が明るく、壁が汚れておらず、臭い(※)がない
空間であることが理想です。
※ほとんどのタワマンでは、キッチンにディスポーザーを設置することが
義務付けてられているため、基本的に生ゴミはほぼ発生しません。
それでも換気がよくないマンションでは悪臭がこもることがあります。
(2)どのような管理か
これはゴミの回収頻度や、粗大ゴミの扱いについてなどです。
理想は以下の2点です。
・一日に複数回、回収している。
・粗大ゴミも各階で回収される。(管理の方が)粗大ゴミ集積所に下ろしている。
(3)どのような使い方をされているか
これは居住者のゴミ捨て場の利用状況です。
利用状況を見れば、どんな感覚を持った居住者がいるのかがわかります。
質の良い居住者に購入してほしいという思想を感じさせる物件か、
誰でもいいからただ売れればいいと思って建設された物件か、
ゴミ捨て場のグレードが物語る、とも言えます。
ゴミ捨て場の中は、経年劣化を除き、
以下のような状況が保たれているのが理想です。
・分別の規則が守られている。
・乱暴なゴミの置き方をしていない。
・ドアや床に汚れや傷がない。 など
以上、長くなりましたがゴミ捨て場について書きました。
たかがゴミ捨て場、されどゴミ捨て場。
マンションでゴミ出しをするとき、
ゴミ捨て場を前にして息を止めて急いでゴミ袋を投げ入れて
ゴミ捨て場を飛び出し、慌てて綺麗な空気を吸う、
なんてことはしていないでしょうか。
QOLを考えるとき、こんな虚しい時間はありません。
気持ちよくゴミ捨てをしたい。
そんな些細な願いが叶わない環境も結構あるように思います。
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